*重要教育資料入門*『小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校等における児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等について』 (平成31年3月29日)
-2019.7.17-
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▼新学習指導要領の下での学習評価が適切に行われ、
各設置者による指導要録の様式の決定や各学校におけ
る指導要領の作成の参考となるよう、学習評価を行う
に当たっての配慮事項、指導要領に記載する事項及び
各学校における指導要領作成に当たっての配慮事項等
がとりまとめられました。
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1.学習評価についての基本的な考え方
(1)カリキュラム・マネジメントの一環としての
指導と評価
「学習指導」と「学習評価」は学校の教育活動の
根幹であり、教育課程に基づいて組織的かつ計画的
に教育活動の質の向上を図る「カリキュラム・マネ
ジメント」の中核的な役割を担っていること。
(2)主体的・対話的で深い学びの視点からの授業
改善と評価
指導と評価の一体化の観点から、新学習指導要領
で重視している「主体的・対話的で深い学び」の視
点からの授業改善を通して各教科等における資質・
能力を確実に育成する上で、学習評価は重要な役割
を担っていること。
(3)学習評価について指摘されている課題
学習評価の現状としては、(1)及び(2)で述
べたような教育課程の改善や授業改善の一連の過程
に学習評価を適切に位置付けた学校運営の取組がな
される一方で、例えば、学校や教師の状況によって
は、
・学期末や学年末などの事後での評価に終始してし
まうことが多く、評価の結果が児童生徒の具体的
な学習改善につながっていない、
・現行の「関心・意欲・態度」の観点について、挙
手の回数や毎時間ノートをとっているかなど、性
格や行動面の傾向が一時的表出された場面を捉え
る評価であるような誤解が払拭しきれていない、
・教師によって評価に方針が異なり、学習改善につ
なげにくい、
・教師が評価のための「記録」に労力を割かれて、
指導に注力できない、
・相当な労力をかけて記述した指導要録が、次の学
年や学級段階において十分に活用されていない、
といった課題が指摘されていること。
(4)学習評価の改善の基本的な方向性
(3)で述べた課題に応えるとともに、学校にお
ける働き方改革が喫緊の課題となっていることも踏
まえ、次の基本的な考え方に立って、学習評価を真
に意味のあるものとすることが重要であること。
【1】児童生徒の学習改善につながるものにしてい
くこと
【2】教師の指導改善につながるものにしていくこ
と
【3】これまで慣行として行われてきたことでも、
必要性・妥当性が認められないものは見直し
ていくこと
これに基づく主な改善点は次項以降に示すところ
によること。
2.学習評価の主な改善点について
(1)各教科等の目標及び内容を「知識及び技能」、
「思考力、判断力、表現力等」、「学びに向かう力、
人間性等」の資質・能力の三つの柱で再整理した新
学習指導要領の下での指導と評価の一体化を推進す
る観点から、観点別学習状況の評価の観点について
も、これらの資質・能力に関わる「知識・技能」、
「思考・判断・表現」、「主体的に学習に取り組む
態度」の3観点に整理して示し、設置者において、
これに基づく適切な観点を設置することとしたこと。
その際、「学びに向かう力、人間性等」については、
「主体的に学習に取り組む態度」として観点別学習
状況の評価を通じて見取ることができる部分と観点
別学習状況の評価にはなじまず、個人内評価等を通
じて見取る部分があることに留意する必要があるこ
とを明確にしたこと。
(2)「主体的に学習に取り組む態度」については、
各教科等の観点の趣旨に照らし、知識及び技能を獲
得したり、思考力、判断力、表現力等を身に付けた
りすることに向けた粘り強い取組の中で、自らの学
習を調整しようとしているかどうかを含めて評価す
ることとしたこと(各教科等の観点の趣旨は、本通
知の別紙4及び別紙5に示している)。
(3)学習評価の結果の活用に際しては、各教科等
の児童生徒の学習状況を観点別に捉え、各教科等に
おける学習状況を分析的に把握することが可能な観
点別学習状況の評価と、各教科等の児童生徒の学習
状況を総括的に捉え、教育課程全体における各教科
等の学習状況を把握することが可能な評定の双方の
特長を踏まえつつ、その後の指導の改善等を図るこ
とが重要であることを明確にしたこと。
(4)特に高等学校及び特別支援学校(視覚障害・
聴覚障害・肢体不自由又は病弱)高等部における各
教科・科目の評価について、学習状況を分析的に捉
える観点別学習状況の評価と、これらを総括的に捉
える評定の両方について、学習指導要領に示す各教
科・科目の目標に基づき学校が地域や生徒の実態に
即して定めた当該教科・科目の目標や内容に照らし、
その実現状況を評価する、目標に準拠した評価とし
て実施することを明確にしたこと。
3.指導要録の主な改善点について
指導要録の改善点は以下に示すほか、別紙1から
別紙3まで及び参考様式に示すとおりであること。
設置者や各学校においては、それらを参考に指導要
録の様式の設定や作成に当たることが求められるこ
と。
(1)小学校及び特別支援学校(視覚障害、聴覚障
害、肢体不自由又は病弱)小学部における「外国語
活動の記録」については、従来、観点別に設けてい
た文章記述欄を一本化した上で、評価の観点に即し
て、児童の学習状況に顕著な事項がある場合にその
特徴を記入することとしたこと。
(2)高等学校及び特別支援学校(視覚障害、聴覚
障害、肢体不自由又は病弱)高等部における「各教
科・科目等の学習の記録」については、観点別学習
状況の評価を充実する観点から、各教科・科目の観
点別学習状況を記載することとしたこと。
(3)高等学校及び特別支援学校(視覚障害、聴覚
障害、肢体不自由又は病弱)高等部における「特別
活動の記録」については、教師の勤務負担軽減を図
り、観点別学習状況の評価を充実する観点から、文
章記述を改め、各学校が設定した観点を記入した上
で、各活動・学校行事ごとに、評価の観点に照らし
て十分満足できる活動の状況にあると判断される場
合に、〇印を記入することとしたこと。
(4)特別支援学校(知的障害)各教科については
特別支援学校の新学習指導要領において、小・中・
高等学校等との学びの連続性を重視する観点から小
・中・高等学校の各教科と同様に育成を目指す資質
・能力の三つの柱で目標及び内容が整理されたこと
を踏まえ、その学習評価においても観点別学習状況
を踏まえて文章記述を行うこととしたこと。
(5)教師の勤務負担軽減の観点から、
【1】「総合所見及び指導上参考となる諸事項」に
ついては、要点を箇条書きするなど、その記
載事項を必要最小限にとどめるとともに、
【2】通級による指導を受けている児童生徒につい
て、個別の指導計画を作成しており、通級に
よる指導に関して記載すべき事項が当該指導
計画に記載されている場合は、その写しを指
導要録の様式に添付することをもって指導要
録への記入に替えることも可能とするなど、
その記述の簡素化を図ることとしたこと。
4.学習評価の円滑な実施に向けた取組について
―略ー
5.学習評価の改善を受けた高等学校入学者選抜、
大学入学者選抜の改善について
―略―
(参考:NSK教採通信)