「教育心理用語」出題ランキング≪平成30年実施≫
-2019.7.1-
【1位】プログラム学習
スキナーのオペラント条件づけの原理を教育実践
に応用したプログラム学習とは、分析された学習目
標を細かくステップ化し、順次学習していく項目を
系列化したものです。プログラム学習は、個別学習
への試みとして大きな影響を与えました。
その利点としては、下記1~3があげられます。
1)個々の学習者のペースで学習できる
2)受動的な学習だけでなく、積極的に学習プログ
ラムに反応し、目標に到達できる
3)反応の正誤をすぐ確認でき、次の行動を指示す
する言語の用意が可能になる
学習系列の形態としては、質問が一定の順序で行
われる単純型と枝分かれ型(クラウダー型)に分け
られます。後者は、より個別的な教授プロセスを与
えることが可能です。それは学習教材のプログラミ
ングの仕方といった、教材側から発達したものと考
えられます。
【2位】ピグマリオン効果
その人にとって重要な意味を持つ他人がひそかに
抱く期待によって、その人の能力に変化が起きる現
象のこと。ローゼンザールらは、はじめネズミを用
いて、行動研究の際の実験者の期待の影響を明らか
にし、これを教師の児童に対する期待の問題へと発
展させました。
【3位】バズ学習
児童・生徒を小グループに分けて討議させ、その
結論・意見を、さらに全員で討論する学習方式のこ
と。6人ずつのグループが6分間討議することを原
則とするという意味で、6.6討議ともいわれます。
フィリップスが考案。バズ=buzzとは、激しく動き
回るや、蜂がブンブン飛ぶなど、騒がしい様子を表
す単語です。
【4位】ハロー効果
ある一つのことで成功した者や、すぐれている者
を、他の点でもすぐれているとみなしたりする傾向
のこと。光背効果ともいいます。
【5位】発見学習
問題解決学習と系統学習の端緒を補うものとして
ブルーナーによって新しく提唱された現代的な学習
法のこと。知識や技術の創造的な探索・発見・発明
の過程を、児童・生徒に「再発見」させることを目
指します。発見学習のねらいは、教科内容への内的
動機づけ(モティベーション)が可能であり、法則
や原理の一般的移転は成立するという前提に立って
知識の注入を習得できるように教科の基本原理・観
念を学習することにあります。
【6位】マスタリーラーニング
完全習得学習とも呼びます。学習者のほぼ全員が
教育内容を完全に習得するための学習理論のこと。
教育目標を明確に設定しその下位目標をもつ学習単
元が設けられます。単元ごとの学習が済むと、達成
度やつまずきを知るために形成的評価が行われ、目
標に達しない場合には、補充教材にて学習が行われ
完全習得をさせます。
【7位】有意味受容学習
オーズベルにより提唱されました。伝達によって
学習する学習方法が受容学習で、意味を理解しなが
ら行われる受容学習が有意味受容学習。学習すべき
内容が最終的なかたちで言語的に提示され、学習者
は先行オーガナイザーを手掛かりに自分の認知構造
の中に新たな概念を形成できるため、学習が容易に
内面化するとしました。
【8位】メタ認知
自分が理解する過程を、もう一段上から眺めて、
どのように自分は理解しているのだろうか、あるい
はどのように学習しているのだろうか、このような
学習でいいのかなど、自分を客観的に見つめ直すこ
と。
メタとは、高次元や超という意味で、認知(知覚
・記憶・学習・言語・思考など)を越えた認知のこ
と。認知とは知ることや理解することであり、人の
知的活動は、すべて認知活動です。したがってメタ
認知とは、問題解決を目指して行われる認知行為を
「高い所」から見下ろす行為であり、生徒が学習す
るプロセスそのものを、いかに理解するかというこ
とになります。
【9位】ジグソー学習
アメリカで、生徒が協同して学習を進めることを
目的として開発されたグループ学習のこと。最初に
学習班で活動し細分化された課題の解決を分担、班
を組み替えて同じ課題をもった班で課題を追求、再
びもとの班へ戻って報告をするという、協同学習を
効果的に成功させるための方法。学習課題に対する
認識の明確化、生徒間の意見交換の活性化、班を変
えることによる学習の意欲化、報告による責任感の
向上などを図ることができます。
【10位】形成的評価
教育活動の途上で、設定されている目標に対して
児童・生徒のその都度の状態が目標達成の方向に向
かっているのかどうか、軌道修正する必要がないか
について情報を与え、目標達成に向かうようにする
ための評価のこと。
(参考:NSK教採通信)