重要教育資料問題対策 重要教育資料入門 最新出題問題例
-2016.1.21-
最近の教育教養では、資料問題の比重が大変高くなっています。特に教育時事の問題では、新しい資料による出題が大変多いです。しかし、資料問題の傾向は変わりつつあります。このコーナーでは、今後出題が予想される重要な資料について紹介・解説していきます。
今回も前回に引き続き、去年の試験で出題された資料問題を紹介します。どのような資料が、どのような形式で出題されているのか、大体の傾向をつかんでください。
最新出題問題例
【問題1】次の各文は、食育に関する資料の一部である。空欄に当てはまる語句を後の語群から選びなさい。(岡山県一改)
○学校給食における食物アレルギー対応の基本的な考え方は、アナフィラキシーを起こす可能性のある児童生徒を含め、食物アレルギーの児童生徒が他の児童生徒と同じように給食を楽しめることを目指すことが重要であり、各学校、各調理場の能力や環境に応じて食物アレルギーの児童生徒の視点に立ったアレルギー対応給食の提供を目指すことである。
(「今後の学校給食における食物アレルギー対応について最終報告」(平成26年3月調査研究協力者会議))より抜粋
○中央教育審議会答申(H20.1)において、食育は「教科等を横断して改善すべき事項」として位置付けられていましたが、このことは、学校における食育は、特定の教科等において行われるものではなく、様々な教科等を関連させつつ、学校の教育活動全体で推進するものであることを示唆しています。学習指導要領総則においても、食育の推進に当たっては、児童生徒の発達の段階を考慮して、学校の教育活動全体を通じて適切に行うことと規定しています。
今後は、児童生徒が食に関する知識や能力等を発達段階に応じて総合的に身に付けることができるよう、学校では、各教科等における個々の食に関する指導を(C)継続性に配慮しつつ、教科横断的な指導として関連付け、学校教育全体で進めていくことが必要です。
児童生徒が健全な食生活を実践し、健康で壁かな人間性をはぐくんでいけるよう、栄養や食事のとり方などについて、正しい知識に基づいて自ら判断し、(D)実践していく能力などを身に付けさせるために、前述の中央教育審議会報告書(H17.7)及び答申(H20.1)を踏まえ、次のような食に関する指導の目標を設定しました。
(中略)
【食に関する指導の目標】
○食事の重要性、食事の喜び、楽しさを理解する。
○心身の成長や健康の保持増進の上で望ましい栄養や食事のとり方を理解し、自ら管理していく能力を身に付ける。
○正しい知識・情報に基づいて、食物の品質及び安全性等について自ら判断できる能力を身に付ける。
○食物を大事にし、食物の生産等にかかわる人々へ感謝する心をもつ。
○食事のマナーや食事を通じた人間関係形成能力を身に付ける。
○各地域の産物、食文化や食にかかわる歴史等を理解し、尊重する心をもつ。
(「食に関する指導の手引」(平成22年3月・文科省))より抜粋
≪語群≫
アナフィラキシ- 慢性 気管支炎 学校保健安全法 学習指導要領総則 継続性 安全性 実践 選択 文化 マナー
【問題2】中央教育審議会による「新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について~
すべての若者が夢や目標を芽吹かせ、未来に花開かせるために~(答申)」
(平成26年12月22日)に関する次の問いに答えなさい。(長野県)
問.高等学校教育、大学教育を通じて育むべき「確かな力」を定義した次の文の空欄に当てはまる語句として適切な組合せはどれか。
学力の三要素を、社会で自立して活動していくために必要な力という観点から捉え直し、高等学校教育を通じて(i)これからの時代に社会で生きていくために必要な、「(ア)性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度(ア)性・多様性・(イ)性)」を養うこと、()その基盤となる「知識・技能を活用して、自ら課題を発見しその解決に向けて探究し、成果等を表現するために必要な思考力・(ウ)力・表現力等の能力」を育むこと、()さらにその基
礎となる「知識・技能」を習得させること。大学においては、それを更に発展・向上させるとともに、これらを総合した学力を鍛錬すること。
①ア.主体 イ.協働 ウ.判断
②ア.主体 イ.協調 ウ.判断
③ア.主体 イ.協調 ウ.探究
④ア.積極 イ.協働 ウ.探究
⑤ア.積極 イ.協調 ウ.判断
【問題3】次の文は、中央教育審議会「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告)」(平成24年7月23日)の一部である。空欄に適語を記入しなさい。(奈良県一改)
○「共生社会」とは、これまで必ずしも十分に(1)できるような環境になかった障害者等が、積極的に(2)していくことができる社会である。それは、誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合い、人々の多様な在り方を相互に認め合える全員参加型の社会である。このような社会を目指すことは、我が国において最も(3)に取り組むべき亜要な課題である。
○特別支援教育は、共生社会の形成に向けて、インクルーシブ教育システム構築のために必要不可欠なものである。そのため、以下の考え方に基づき、特別支援教育を発展させていくことが必要である。このような形で特別支援教育を推進していくことは、子ども一人一人の(4)を把握し、適切な指導及び必要な支援を行うものであり、この観点から教育を進めてをいくことにより、障害のある子どもにも、障害があることが周囲から認識されていないものの学習上又は生活上の困難のある子どもにも、更にはすべての子どもにとっても、良い効果をもたらすことかできるものと考えられる。
第一に、障害のある子どもが、その能力や(5)を最大限に伸ばし自立し(1)することができるよう、医療、保健、福祉、労働等との連携を強化し、社会全体の様々な機能を活用して、十分な教育が受けられるよう、障害のある子どもの教育の充実を図ることが重要である。なお、特別支援教育の基本的考え方である、子ども一人一人の教育的ニーズを把握し、適切な指導及び必要な支援を行うという方法を、障害のある子どものみならず、障害があることが周囲から認識されていないものの学習上又は生活上の困難のある子どもにも適用して教育を行うことは、様々な形で積極的に社会に参加・貢献する人材を育成することにつながり、社会の潜在的能力を引き出すことになると考える。
第二に、障害のある子どもが、地域社会の中で積極的に活動し、その一員として豊かに生きることができるよう、地域の同世代の子どもや人々の交流等を通して、地域での(6)を形成することが求められている。このため、可能な限り共に学ぶことができるよう配慮することが重要である。それが、障害のある子どもが積極的に社会に参加・貢献するための環境整瞳の一つとなるものである。
第三に、特別支援教育に関連して、(7)を推進することにより、周囲の人々が、障害のある人や子どもと共に学び合い生きる中、(8)を確保しつつ社会の構成員としての基礎を作っていくことが重要である。次代を担う子どもに対し、(9)において、これを率先して進めていくことは、インクルーシブな社会の構築につながる。
◆正解◆
【問題1】
A.アナフイラキシ一
B.学習指導要領総則
C.継続
D.実践
E.マナー
【問題2】①
【問題3】
(1)社会参加
(2)参加・貢献
(3)積極的
(4)教育的ニーズ
(5)可能性
(6)生活基盤
(7)障害者理解
(8)公平性