絶対にはずせない『教育振興基本計画』
-2015.12.18-
教育振興基本計画は、日本の教育行政の基本的施策です。そのため毎年多くの出題があります。第2期が出題されて2年目の今年は、どの部分がどのように出題されたのか確認をしてみましょう。
★そもそも『教育振興基本計画』とは?
教育振興基本計画は、教育基本法に示された理念の実現と、教育振興に関する施策の総合的・計画的な推進を図るため、同法第17条第1項に基づき政府が作り国会に報告することが定められている教育に関する総合計画です。第1期は平成20年度~平成24年度の5年の間に取り組むべき施策を示した計画。第2期は平成25年から平成29年と、5年毎に作成されます。
★教育原理の中心的な資料
資料問題の出題は、最近の教員採用試験で大変多くなっています。『教育振興基本計画』は資料問題の中心の一つといっていいでしょう。今年は「第2期」が本格的に出題されるようになって2年目となりました。昨年以上に、多くの自治体で出題されています。第1期の基本方針も出題されてから2年目、3年目と出題が増えていったのでこれからも増えると思われます。学校教育も含めた教育行政の基本的指針なので十分に理解しておきましょう。
★『前文』は暗記!
今年もっとも出題が集中したのは、『前文』と中教審の答申でした。昨年は「4つの基本的方向性」についてのごく基本的な問題が中心でしたが、さすがに今年は単に4つの基本的方向性に該当するものを問うような出題は減りましたが、『前文』にも4つの基本的方向性は含まれているので、どの部分が空欄になっても正確に穴埋めできるようにしておきたいところです。そのためには、何度も前文を読んで、暗記してしまいましょう。中教審答申は平成25年4月の「第2期教育振興基本計画について」の答申です。
内容は基本計画の前文に該当する部分が多くありました。
第2期の基本計画の特徴は各学校間や、学校教育と職業生活等との円滑な接続を重視し、生涯の各段階を貫く4つの教育の方向性を設定したことです。そしてそれぞれについて成果目標とその達成度を客観的に計測するための指標を設定しました。さらに将来の社会のあるべき姿を描きつつ、その実現に必要な30の基本施策を体系的に整理しています。「4つの基本的方向性」に加え「9つの成果目標」まで出題が広がってきています。つまり、第1部を完壁に理解した上で、第2部の内容まで把握しておくことが必要となってきてきます。
★来年の試験に向けて
『前文』と4つの基本的方向性を確実に覚えましょう。それから、「第1部 我が国における今後の教育の全体像」の「四つの基本的方向性」の説明文の抜粋などが出題される可能性が高いです。単に4つのタイトルを覚えるだけでなく、それぞれの説明のどの部分が空欄になっても、正確に語句を入れられるようにしておきましょう。
更に、「第2部 今後5年間に実施すべき教育上の方策」にも十分に確認しておきましょう。特に4つの基本的方向性に基づく方策として、8つの成果目標を確実に覚えておいてください。そのためにはそれぞれの成果指標と基本施策についても、正しい理解をしておくことが必要です。成果目標は、政策の事業の量ではなく、教育政策の学習者や社会全体に対してどのような成果を目指すかといった観点に基づく目標だとして、社会全体への波及効果を目指しつつ「どのような知識・能力が身に付くことを目指すのか」、あるいは「どの程度教育を受ける機会を確保するのか」といったような教育施策による寄与が比較的大きいと考えられる「成果目標」がポイントとなってくるかもしれません。
丁寧に見ておかなければならない部分がやや多くなってしまいますが、教育施策の基本となる重要な内容である上に、来年から2~3年くらいは最もこの出題が多い時期だと思われるため、細かい理解が求められます。