重要教育資料問題対策 重要教育資料入門 最新出題問題例
-2015.12.11-
最近の教育教養では、資料問題の比重が大変高くなっています。特に教育時事の問題では、新しい資料による出題が大変多いです。しかし、資料問題の傾向は変わりつつあります。このコーナーでは、今後出題が予想される重要な資料について紹介・解説していきます。
今回と次回は、今年の試験で出題された資料問題を紹介します。どのような資料が、どのような形式で出題されているのか、大体の傾向をつかんでください。
【問題1】
文部科学省の「教育の情報化に関する手引き」(平成22年10月)では、教員のICT活用指導力の基準(チェックテスト)として、5つの大項目と18のチェック項目をあげている。この5つの大項目に該当しないものは、次の1~5のうちどれか。(新潟県)
1.ICT機器を安全に使用し保守できる能力
2.教材研究・指導の準備・評価などにICTを活用する能力
3.児童(生徒)のICT活用を指導する能力
4.情報モラルなどを指導する能力
5.校務にICTを活用する能力
【問題2】
次の文は、中央教育審議会「今後の青少年の体験活動の推進について」(平成25年1月21日)の一部である。文中の空欄にあてはまる語句の組み合わせとして、最適なものを下のアーエのうちから一つ選べ。(栃木県)
都市化・過疎化や核家族化が進み、価値観やライフスタイルが多様化し、社会とのつながりが希薄化する中で、親戚や異年齢の子どもたち、地域の人たち等との「(1)」が希薄となり、子どもたちの人間関係能力が低下している。
個人や社会の多様性を尊重しつつ、(2)と柔軟な思考力に基づいて、新しい価値観を創造したり、異なる他者と協働したりする能力等が必要とされている。
さらに、グローバル化等に対応しつつ、未来への飛躍を担うための創造性やチャレンジ精神、リーダーシップ、国境を越えて人々と協働するためのコミュニケーション能力等を身につけた人材が求められている。
少子・高齢化の進行、グローバル化や情報通信技術の進展、経済環境や雇用環境の急激な変容など、変化の激しい社会において、「(3)」の養成が求められている。
ア.(1)ナナメの関係 (2)豊かな表現力 (3)適切な判断力
イ.(1)ナナメの関係 (2)幅広い知識・教養 (3)社会を生き抜くカ
ウ.(1)交流 (2)幅広い知識・教養 (3)適切な判断力
エ.(1)交流 (2)豊かな表現力 (3)社会を生き抜く力
【問題3】
次の文は、この方中のいじめの防止等に関する基本的考え方の一部である。空欄A~Cに、下のアーカのいずれかの語句を入れてこの文を完成させる場合、正しい組合せはどれか。1~5から一つ選べ。(大阪府)
いじめは、どの子供にも、どの学校でも起こりうることを踏まえ、より根本的ないじめの問題克服のためには、全ての児童生徒を対象としたいじめの(A)の観点が重要であり、全ての児童生徒を、いじめに向かわせることなく、心の通う対人関係を構築できる社会性のある大人へと育み、いじめを生まない土壌をつくるために、(B)が一体となった継続的な取組が必要である。
このため、学校の教育活動全体を通じ、全ての児童生徒に「いじめは決して許されない」ことの理解を促し、児童生徒の豊かな情操や道徳心、自分の存在と他人の存在を等しく認め、お互いの人格を(C)し合える態度など、心の通う人間関係を構築する能力の素地を養うことが必要である。
ア.実態調査 イ.未然防止 ウ.尊重 エ.教職員 オ.重視 力.関係者
1.A…アB…エC…ウ
2.A…イB…力C…ウ
3.A…イB…エC…オ
4.A…アB…力C…オ
5.A…イB…エC…ウ
【問題4】
次は、「学校防災のための参考資料「生きる力」を育む防災教育の展開(平成10年3月初版発行 平成25年3月改訂版発行文部科学省)の抜粋である。(1)~(4)に入る語句を以下の語群から選び、記号で答えなさい。
第2章学校における防災教育
2 防災教育のねらい
防災教育は様々な危険から児童生徒等の安全を確保するために行われる安全教育の一部をなすものである。したがって、防災教育のねらいは、「『生きる力』をはぐくむ学校での安全教育」(文科省、2010)に示した安全教育の目標に準じて、次のような3つにまとめられる。
ア 自然災害等の現状、原因及び減災等について理解を深め、現在及び将来に直面する災害に対して、的確な思考・判断に基づく適切な意志決定や(1)ができるようにする。
イ 地震、台風の発生等に伴う危険を理解・予測し、自らの安全を確保するための行動ができるようにするとともに、日常的な備えができるようにする。
ウ 自他の生命を尊重し、安全で安心な社会づくりの重要性を認識して、学校、家庭及び地域社会の安全活動に進んで参加・協力し、貢献できるようにする。
東日本大震災では、学校管理下において、教職員の適切な誘導や日常の避難訓練等の成果によって、児童生徒等が迅速に避難できた学校があった一方、避難の判断が遅れ多数の犠牲者が出た学校や、下校途中や在宅中に被害に辿った児童生徒等がいた。自然災害では、想定した被害を超える災害が起こる可能性が常にあり、自ら危険を予測し回避するために、習得した知識に基づいて的確に判断し、迅速な行動をとることができる力を身につけることが必要である。そのためには、日常生活においても状況を判断し、最善を尽くそうとする「(2)に行動する態度」を身に付けさせることが極めて重要である。その際には、人間には自分にとって都合の悪い情報を無視したり、(3)したりしてしまう心理的特性(正常化の偏見(バイアス)があることにも注意が必要である。
また、自然災害が多い我が国においては、災害後の生活、復旧、復興を支えるための支援者となる視点も必要である。(4)は、他人を思いやる心、互いを認め合い共に生きていく態度、自他の生命や人権を尊重する精神などに支えられている。より良い社会づくり
に(2)かつ積極的に参加・参画していく手段としても期待されており、このことは、学校における安全教育の目標の一つである。進んで安全で安心な社会づくりに貢献できるような資質や能力を養うことにつながるのである。
a避難行動 b主体的 c過大評価 d行動選択 e協力的 fボランティア活動 g過小評価 h道徳評価
◆◆◆正解◆◆◆
【問題1】1
※もう一つの項目は「授業中にICTを活用して指導する能力」
【問題2】イ
【問題3】2
【問題4】(1)d (2)b (3)g (4)f