「生徒指導」の出題 徹底分析!
-2015.1.23更新-
生徒指導に関する出題のほとんどは今年も「生徒指導提要」からの出題でした。
しかし、出題されることはわかっていても、240ページもあります。
頻出度の高い部分を、確実に理解・把握し効率のいい準備をしましょう。
また、「生徒指導提要」以外からの出題も分析しておきましょう!
■「生徒指導」全体の出題傾向
生徒指導に関する出題については、そのほとんどが「生徒指導提要」からの出題です。
ただ、今年は「いじめ防止」についての新法が施行され、「いじめ防止基本方針」が策定されてからの初めての教員試験だったため、いじめについての問題も例年以上出題されました。
その他文科省や各自治体からも「いじめ」対策の資料が多く出されているので、今後も、いじめについての出題が続くことは間違いないでしょう。
ただ、「生徒指導提要」が中心となることも確実でしょう。
他に、児童生徒の問題行動の実態に関する出題や具体的な指導法の出題も増えてきています。
文科省が、毎年まとめている「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」も確認し、実態を把握した上で、指導の基本となる「生徒指導提要」を理解し、実際の具体的指導法について考えておく、というステップが理想的でしょう。
昨年の調査結果をまとめたものが今年10月に発表されています。
以上のように、生徒指導に関する出題は、「生徒指導提要」についての問題、「いじめ」についての問題、「問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」などからの問題に分類することができます。
■「生徒指導提要」の出題傾向
今年も昨年も6~7割の自治体が「生徒指導提要」から出題しています。
年によって多少の違いはありますが、「いじめ」に関する問題などの増減の影響はあるものの、基本的には生徒指導の出題は「生徒指導提要」からの問題が中心として出題されている。
これは、今後も続くはずです。
「生徒指導提要」といっても、 内容は大変多いです。
どの部分を中心に理解しておけばいいか、見てみましょう。
これまでの出題を分析すると、特定の部分に集中しているのがわかります。
これまでの教員試験で出題が最も集中したのは「第1章 生徒指導の意義と原理第1節生徒指導の意義と課題」でした。
生徒指導についての基本的な考え方についての出題です。
次に出題が多かったのは「第5章 教育相談第1節教育相談の意義」でした。
ただし、第5章の 「教育相談」についての問題は、他の部分がほとんど空欄補充の形式についての問題であるのに対して、正誤問題が大変多く出題されています。
正誤問題は、第1節に限った出題ではなく、いくつかの節にまたがった問題が多く、第5章に限っては、節ごとの出題傾向を把握するよりも「教育相談」全体がよく出題されると考えていた方がいいでしょう。
また、第6章Ⅱの「第6節 いじめ」についてもよく出題されています。
次に第3章と第4章のそれぞれ第1節も比較的出題が集中した部分です。
しかし、年々出題される範囲は広がり、1章~6章までは広範囲で出題されるようになってきており、一か所に集中することは年々少なくなってします。
ただし、7章と8章からの出題はほとんどなく、1章~6章も節単位で見てみると、ねらわれやすい節と、ほとんど出ていない節があるようです。
そのため、むやみに全体を覚えるのではなく、出題が増えている部分をしっかり確認しておく必要があります。
■教育相談の出題と「生徒指導提要」
前述したように、「第5章教育相談」は全体の出題が多い部分です。
元々、教職教養では、教育相談についても多く出題されています。
以前は、教育心理の一領域として、教育相談の基本についての出題が中心でしたが、「生徒指導提要」が発行されてからは、「生徒指導提要」からの出題が大幅に増えています。
この章には「教育相談の意義」「教育相談の体制づくり」「教育相談の進め方」等がわかりやすくまとめられており、教育相談についての正誤問題なども、「生徒指導提要」の主旨にしたがって回答する問題が今後も増えると思われます。
特に、「教育相談でも活用できる新たな手法等」について、用語と説明文を結びつける問題なども、多くの問題が出題されています。
■「生徒指導提要」の今後の傾向と準備
これまで最も出題が多かったのは、「第1章 生徒指導の意義と原理 第1節 生徒指導の意義と課題」でした。
これは生徒指導の基本について記述されている部分であり、少しずつその比重は低くなっていますが、それでもすべての基本であり、まず最初に充分理解していなければならない部分です。
逆に、少しずつ出題が増えてきているのが、比較的新しい課題についてまとめられた、第6章の「Ⅱ 個別の課題を抱える児童生徒への指導」についてです。
今後も出題が徐々に増加することが予想されます。
全体的な対策としては、まだ「生徒指導提要」にほとんど目を通していない場合は、まず「第1章 生徒指導の意義と原理 第1節 生徒指導の意義と課題 1 生徒指導の意義」をしっかり読んで理解するところから始めましょう。
第二段階として、第五章の「教育相談」を熟読し、「教育相談でも活用できる新たな手法等」を理解しておかなければなりません。
そして、第二章第一節・第六章、第三章の順に読み進めておくのが望ましいでしょう。
本来生徒指導は、定義や理屈だけでなく、正しい実践ができなければ意味がないですが、とりあえず採用試験では、「生徒指導提要」を基準とした問題がだされるので、何度も読み返し、把握していかなければなりません。