中教審答申『道徳』は、こう出題される!
-2014.12.4更新-
中央教育審議会が「道徳に係る教育課程の改善等について」と題する答申を行いました。
道徳は「特別な教科」として格上げされることが正式に決まり、教員試験でも多くの出題が予想されます。
変更内容をまとめておきましょう。
◆教員試験への影響
最近の教員試験における資料問題の出題傾向と、今回の答申の内容から考えられる出題予想を合わせ、この答申のどの部分を覚えておく必要があるか、どのように出題されるかを考えてみましょう。
今回の答申からは、多くの出題が予想されますが、その内容は既に平成25年12月26日に文科省の「道徳教育の充実に関する懇談会」が出した報告書を踏襲したものでした。
従って、その内容は十分に予想されたものであり道徳教育の改善の内容として、これまでも教員試験受験生が把握していたものと変わりはありません。
しかし、懇談会の報告書の段階では、あまり教員試験には出題されなかったものが、中央教育審議会答申という段階まで来たものである以上、出題率は飛躍的に増加することが予想されます。
この機会に、もう一度道徳教育の改善について、具体的な内容をしっかりと把握しておきましょう。
◆「道徳教育」の出題傾向
道徳教育についてのこれまでの出題は、ほとんどが学習指導要領からの出題でした。
ただし、 「道徳」の章からだけではなく、むしろ「第一章総則」の「教育課程編成の一般方針」に示された道徳に関する記述が中心でした。
ここに示された内容は 「道徳教育の目標」です。
これまでは、この総則と道徳の章だけを確実に理解していれば正解できる問題だけでした。
ですが、今年は、これに加えて、これからの「道徳」の改革の方向性も多く出題されることが予想されます。
まずは、現行の道徳について完壁に理解しておくことが必要でしょう。
その上で、今回提出された改革の方向性についてもチェックしておかなければなりません。
◆来年の出題予想は?
「道徳」に関する来年の出題は、大きく分けて3種類の問題が出されると思われます。
1つはこれまでの通り、現行の学習指導要領を中心とした問題です。
これは、改善に関する出題の中でも小問として出される可能性が高いです。
形式としては、現行学習指導要領の空欄補充などです。
新しい答申ばかりを読んでいればいいということではないということです。
2つめと3つめは今回の答申を中心とした出題であり、2つめは答申の「1 道徳教育の改善の方向性」からの出題、3つ目は具体的な改善の内容です。
答申の「1 道徳教育の改善の方向性」については答申の抜粋の空欄補充がほとんどだと思われます。
最近の出題形式の傾向から考えると、ほとんどの場合は、選択補充なので、何回か読んでおくか、もしくは実際にキーワードを空欄にして練習しておきましょう。
3つ目は、今回の改善自体に関する問題で、変更点についての説明文で正しいもの(もしくは正しくないもの)を選ぶ正誤問題です。
来年度の「道徳」に関する出題は、おそらくこの3つのパターンのいずれかからの出題が圧倒的だと思われます。
◆来年に向けての確実な対策は?
来年度の出題予想から考えて、次の対策が必要だと思われます。
まず、総合的な出題のために、現行の学習指導要領を確実に復習しておく必要があります。
もちろん、「第1章総則 第1教育課程編成の一般方針」の第2項と「第3章 道徳」(小・中)の両方です。
これに加えて、簡単な「道徳教育」の変遷も見ておきましょう。
次に今回の答申については、まず、「1 道徳教育の改善の方向性」を熟読することです。
比較的抽象的な語句での表現が多いので、1回読んだだけでは、正しい空欄補充は難しいです。
空欄になりそうな語句をチェックしながら読む必要があります。
次に、「2 道徳に係る教育課程の改善方策」の内容から、変更される項目をまとめて、「道徳」がどう変わるのか、その全体像を理解しておく必要があります。