先生の待遇って?(給与編)
『職歴換算』って?
今まで教育業界ではないところでお仕事されてきた方から、こんな質問をいただくことがあります。
「今から学校の教員になると、お給料は新卒の初任給と同じ額になるんでしょうか?」
これまで他業種でお仕事されていて、今後学校での勤務を考えている方の中に、こんな疑問をお持ちの方は多いかと思います。
簡単にお答えすると、「NO!!」です。
決して新卒と同額のお給料になることはありません。
学校側は、皆さんがこれまでに経験されてきた職歴を加味して、初任給を決定していきます。
これを『職歴換算』を言うのですが、今回はこの『職歴換算』について、詳しくお応えしたいと思います。
その前に…
まずは教職員の基本賃金について簡単にご説明します。
【先生たちの基本賃金】
教職員のお給料は、「級」と「号俸」で決定される仕組みとなっています。
「級」は、職種によって変わってくるのですが、例えば公立の学校の場合、
1級…助教諭等
2級…教諭等
3級…統括教諭等
4級…副校長・教頭
5級…校長
というように階級が決められています。
「号俸」とは、その階級によって区分された給与のことで、『○級職○号』というように区分されていきます。
例えば、ある私立高等学校の教諭の給与規定だと、4大新卒の場合、初任給は2級2号俸に位置し、具体的な額は19万5300円になります。
ちなみに、修士課程まで取った新卒の場合は、2級5号俸の21万7900円からのスタート。
博士課程まで取った人なら、2級9号俸の26万2000円からのスタートとなります。
さて、本題の『職歴換算』ですが、
この『職歴換算』は、各自治体、学校法人の給与規定に[換算率▼%]というように表示されます。
この▼%というのは、前職のお給料の▼%という見方ではなく、
前職の勤務年数の▼%、という見方をします。
(ここ間違える方が多いので要注意!)
例えば…
・Aさん(30歳/前職:公立小学校教諭/勤務年数8年)の場合
前職が教員だったので、換算率100%とします。
すると、8(年)×1.00=8 となり、お給料は、新しい勤務先の8年目の教諭と同じ額からのスタートになります。
・Bさん(30歳/前職:一般企業/勤務年数8年)の場合
前職は教育とは関係のない業種だったので、換算率50%とします。
すると、8(年)×0.5=4 となり、お給料は、新しい勤務先の4年目の教諭と同じ額からのスタートとなります。
この換算率は、私立学校だと学校ごとに変わってくるので、前職が同業種でも100%の換算率とはならなかったり、前職が他業種でも80%程度の換算率となることもあるようです。
自治体の場合は、インターネット上に給与規定を公開していますが、学校法人の場合は、給与規定を公開しているところはあまり多くありません。
『職歴換算』についてより詳しく知りたい方は、
まずは文部科学省のHPをご覧になってみてくださいね!