公立の教員採用試験って、どんな試験をするの?(1次試験編)
公立校の教員採用試験の詳細は、各都道府県、各自治体によって異なります。
ただし、学校単位で異なる採用試験を行っている私立と比べれば、
どの地域でも同じような試験が行われているといえます。
試験の内容は、1次試験と2次試験に分けられ、おもに1次で筆記の試験、2次で面接や模擬授業、
実技試験等が行われます。
それではまず、1次試験の詳細から見ていきましょう。
~~ 1次試験(筆記試験) ~~
①教職教養:教職に対する基礎な知識問題
【内容】
教育法規、学習指導要領、教育史、教育心理学、道徳教育、中央教育審議会
や教育課程審議会の答申 等。
【対策】
内容が多分野に渡り、また常に変化する情報等からの出題となるため、単に
法律の条文、教育関係の人名を暗記するだけでなく、教育に関する時事問題
や新聞、インターネット等を用いて、情報を得ることが重要。
【実施傾向】
・多くの自治体はこの教職教養を一次試験で行っている。
・試験内容も全校種同一の試験の場合が多い。
・一般教養試験とまとめて、一つの試験として行われることが多い。
・受験者数が多い自治体では、マークシート方式で行われる。
②一般教養
【内容】
・公立高校入試レベルから、高校で学ぶ基礎的レベルの学科試験。
(国語、数学(算数)、理科、社会、英語の中から出題)
・芸術、体育に関する問題、情報処理に関する問題が出題されることもある。
・自治体によっては、その地域独特の「ご当地問題」が出題されることもある。
【対策】
教科の数や出題範囲を考えると、幅広い対策が求めらる。また「ご当地問題」
に関しては、各地域の歴史問題や時事問題等、独特のものが出題されるため、
注意が必要。
【その他・傾向】
・多くの自治体はこの教職教養を一次試験で行っている。
・試験内容も全校種同一の試験の場合が多い。
・教職教養試験とまとめて、一つの試験として行われることが多い。
③専門教養
【内容】
・各校種、教科の専門知識を確認、評価するための試験。
・目指す先生の種類によって、内容が異なる。
・小学校の先生を目指す場合は、小学校で指導するすべての教科から出題される。
・中高の場合は、各担当教科に関する出題となる。
・特別支援学校や、養護学校の場合は、各職種の専門性が問われる。
【対策】
・小学校の場合は、出題範囲は広いものの、一般教養と同じ位のレベルが理解
できていれば対応可能な問題が多い。
・中高の場合は、問題や知識のレベルが高く、大学入試から大学で学ぶ各専門
知識のレベルが求められる場合が多い。
【その他・傾向】
多くの自治体はこの教職教養を一次試験で行っています。
④論作文試験
【内容】
・教育、教員に対する考え方や意欲を文章で表現する。
・個々の考え方を確認するのはもちろんのこと、文章表現力や論理力等も
評価される試験。
【対策】
教育関連のテーマが与えられ、決められた文字数と時間で解答する方法が用
いられるため、出題テーマの傾向を調べたり、模擬的な訓練を行う等、日ごろ
から文章を書きなれることが重要。
【実施傾向】
・自治体によっては、2次試験で実施される場合もある。
・1次試験で行う場合には、一般教養・専門教養と平行して対策を行わなけれ
ばならないため、注意が必要。