学校安全と防災教育はどう出題されるの?
学校の安全については、これまでも大きな事件・事故災害が起きるたびに学校安全の充実が叫ばれ改善され、教員試験でもいろいろな形で出題されていたが、平成23年3月の東日本大震災によって、特に自然災害については自ら危険を予測し回避するため、習得した知識に基づいて的確に判断し、迅速な行動をとることができる力を身につけることが必要であることが注目され、教員試験でも防災教育に関する出題が急激に増えている。
その出題内容や対策についてまとめてみよう。
■学校の安全・防災教育についての出題傾向と形式
安全教育・防災教育についての出題は、ほとんどが資料問題である。
学校安全については、学校保健安全法や学習指導要領に記載されている内容を中心に出題されてきたが、平成23年の東日本大震災以降は、学校安全とともに防災教育についての出題も増えた。
特に平成24年3月9日に「学校防災マニュアル(地震・津波災害)作成の手引き」が出され、4月27日に「学校安全の推進に関する計画」が閣議決定されてからは、この二つの資料からの出題が急増した。
そして、同年7月には「東日本大震災を受けた防災教育・防災管理等に関する有識者会議」が、最終報告を出したが、教員試験では「学校安全の推進に関する計画」と「防災マニュアル作成の手引き」からの出題に集中した。
そして、25年3月に、学校防災のための参考資料『「生きる力」を育む防災教育の展開』が出されると、昨年はいくつもの自治体でこの資料からも出題された。
今後もこの3つの資料が中心となって出題されることは間違いない。
単に資料の内容に目を通すだけでなく、それぞれの資料の意味なども理解しておきたい。
また、学校に関する有識者会議が報告書などを教員試験前に出した場合は、試験にも出題される可能性が高いので、その動向には気を配りたい。
資料問題については、その資料が新しい時期は空欄補充が多く、次第に正誤問題が増えてくる。
これからの教員試験で出題される資料は、東日本大震災以降にまとめられた資料がほとんどなので、これまでは空欄補充が大変多かったが、正誤問題も出始めたところである。
『「生きる力」を育む防災教育の展開』などの新しい資料の場合は、まだ空欄補充の出題も多いと思われるので、一度は丁寧に目を通しておきたい。
ただ、防災教育に関する問題は最近になってから出題されるようになった領域である。
まだ、出題傾向としては固まっていないと考えていいだろう。
少し丁寧に資料を読んで準備しておきたい。