道徳の教科化は、試験にどう影響するの?
文部科学省の有識者会議「道徳教育の充実に関する懇談会」が「道徳の時間」の改善について文科相に報告書を提出した。
報告書では、道徳を「特別の教科」として格上げし、検定教科書も使用するという内容。
中教審の審議を経て学習指導要領が改訂されてからの実施となるが、変更の内容が具体化したことで、教育試験の出題にも大きく影響すると思われる。
詳細に見ておく必要があるだろう。
■「道徳教育」の出題傾向
道徳教育についてのこれまでの出題は、ほとんどが学習指導要領からの出題である。
ただし、「道徳」の章からだけではなく、むしろ「第一章 総則」の「教育課程編成の一般方針」に示された道徳教育に関する記述が中心である。
これまでは、この総則と道徳の章だけを確実に理解していれば正解できた。
だが、今年は、これに加えて、これからの「道徳」の改革の方向性も多くの出題が予想される。
まずは、現行の道徳について完壁にしておくことが必要だろう。
その上で、今回提出された改革案についてもチェックしておかなければならない。
■「道徳」の何が変わるのか
報告書の内容では、現在正式な教科ではない小中学校の「道徳の時間」を、「特別の教科」として位置づけることが適当とした。
ただし、5段階などの数値評価は行わず、記述式などの多様な評価方法を検討するよう求めた。
教材は新たに検定教科書を導入するのが適当と判断した。
また、検定教科書ができるまでの道徳教材として、現在配布されている「心のノート」を全面改定し、「私たちの道徳」の名称で来年度から使用することとなった。
正式な教科化は30年度以降となるが、早ければ27年度にも先行実 施するという。
改訂の主旨・具体的な内容は今年の試験でも必ず出題される。