【要チェック!】試験に出る「国際学力調査(PISA)」
経済協力開発機構(OECD)が2012年に実施した国際学習到達度調査(PISA)の結果を公表した。
日本の平均点は「読解力」「数学的リテラシー」「科学的リテラシー」の全三分野で調査開始以降で最も高く、順位も前回を上回った。
国際学力調査については、結果発表の直後の教員試験では必ず出題される。
調査の仕組みや制度だけでなく、今回の結果概要やこれまでの推移についても把握しておきたい。
■二つの国際学力調査と全国学力テスト
国際学力調査で注目されるのは、経済協力開発機構(OECD)が行っている「生徒の学習到達度調査」(PISA)とIEAが行っている「国際数学・理科教育動向調査」(TIMSS)である。
PISAは、義務教育終了段階で身につけた知識や技能が実生活の様々な場面で直面する課題にどの程度活用できるかを評価するものであり、読解的リテラシー(読解力)、数学的リテラシー、科学的リテラシーを主体として調査され、TIMSSは初等中等教育段階における算数・数学及び理科の教育到達度を国際的な尺度によって測定するものである。
これらの国際学力調査が特に話題になったのは、2003年の両調査で、日本の児童生徒の成績が低下し、「学力低下」が深刻な問題になったと、各方面に多くの衝撃を与えた、いわゆる「PISAショック」であった。
そしてこれらの結果から、文部科学省は国内でも全国学力テストを再開する必要があるとして、2007年より小中学校の最高学年全員を対象として「全国学力・学習状況調査」が行われることとなった。
■どのように出題されるか
PISA、TIMSS共に、それまでもいくつかの出題はあった。それぞれどのような調査であるかという、基本的な知識を問う問題であったが、これらが出題されるだけで難易度が高いと判断される問題でもあった。
それが、多くの自治体で出題され、今では教員試験のための必須項目とさえ言えるのは前述の2003年の調査結果からである。
調査の主体や方法などの概要はもちろん、最新の調査結果の概要も出題されている。
したがって、今回のPISAの結果だけでなく、TIMSS の最新調査である2011年の結果の概要まで目を通しておきたい。
また、空欄補充よりも正誤問題中心なので、細かい点まで出題の可能性がある。
全国学力学習状況調査についても年々細かい問題が出題されるよ うになっている。