私立学校の非正規教員の実態とは、、
最近TVなどで
「私立学校の先生は非正規の先生が多くなってきている!」
を話題になっています。
今回は、私立学校の教員の数と雇用形態の推移を、2001年と2011年
のデータをもとに見ていきましょう!
【総生徒数】
約1,179,700人(2001年)→約1,002,800人(2011年)
・約15%減少しています。
【教員総数】
約93,600人(2001年)→約92,400人(2011年)
・ほぼ横ばいの状態です。
【正規教員数】
約62,400人(2001年)→約58,400人(2011年)
・約6.4%(約4000人)減少しています。
【非正規教員数】
約31,200人(2001年)→約34,000人(2011年)
・約9%(約2800人)増加しています。
【正規教員と非正規教員の割合】
[2001年]
正規教員 66.7%
非正規教員 33.3%
[2011年]
正規教員 63.2%
非正規教員 36.8%
●子どもは減っているのに先生の数は変わらない!?
上の結果を見てみると、
子どもの数が大幅に減少しているのにもかかわらず、
教員総数はほぼ横ばいの状態をキープしています。
これはなぜかというと…
今までの1クラスあたりの子どもの数は40人前後でした。
しかし、近年は、
学習指導要領の大幅な改訂から、学習する内容が増え、
保護者からの要望などにより20人~35人学級ができたり、
教科ごとに習熟度別クラスを設けたりして、
1学年あたりのクラス数が増える傾向にあります。
子どもの数は少ないけれど、クラスの数は増えている。
よって先生の数は変わらないという状況が生まれています。
●非正規教員はあまり増えていない!?
「非正規教員が増えてきている!」
という声が多い昨今ですが、
上の結果をみると、
非正規教員の数は9%増加していますが、
正規教員と非正規教員の全体の割合をみると、
ここ10年で3%しか増えていないことがわかります。
では、
ここ10年の間で非正規教員が増加した経緯
というのを見ていきましょう。
いま、
正規の教員の中でも、
かつて沢山採用された
「団塊の世代」
と呼ばれる方々が定年にさしかかっており、
退職されて教員の数が減ってきています。
しかし、
最近の不況による「経営難」や「生徒の定員割れ」などの影響で、
学校側も、
「正規教員の退職者が増えたからまた正規で募集しよう!」
とはならず、
かといって人は足りていないので、
非正規教員が必要となり、わずかながらの増加に至ったようです。
そういった、学校の経営面から考えると、
これから非正規教員が増えていく
のは簡単に想像することができますね。
非正規教員の全体の割合が40%を超える日も、
そう近くはないようです。